No.21 空は空色って云わないで

外で絵を描いている子供が気持ちよさそうに
空をピンクに塗っています。

そこをたまたま通りかかった大人の人が、
「空は空色だろ!なんでピンクなんだ!」と
云ってるのに出遭うことがあります。

どうしてそんな固定観念でものを云うのでしょうか?

その論でいったらすべての絵は面白くも
なんともなくなってしまう。

絵は創作です。
美の探求なんです。

現実のモノを前にして描いてはいるが
その子がその現実をどうとらえ
なにを面白いと思い、
なにを美しいと思っているのかが
通りかかったその人になんで判るんでしょう?

何色で塗ろうとその子がその時感じた色で
自由に塗れる環境を作ってあげるのが
大人の役割なんじゃないんでしょうか?

固定観念を取り除く絶好の機会が絵の勉強なんです。

その子の感性のままに描かせてあげてください。

固定観念で物事を考えない
創造力豊かな大人になって貰うことが
美術教育の重要な役割のひとつなんですから。




久松誠一作品「花」